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むーみん協奏曲

ただのサラリーマンの日常です。

大学の役割とは

先日、大学院の時に所属していた研究室の発足20周年記念パーティーがあった。

この前の札幌出張で、院生の頃に学会で札幌へ行ったことを思い出し、みんなに会いたいな~と思っていたところだったので、今回の再開をとても楽しみにしていた。

この頃の仲間とは、何人かで飲みに行くことはあったけど、関西から遠方に就職した同期や先輩なんかには長らく会っていなかった。

久々の再会はとても嬉しかったし、みんなと昔の話をすると、学生の頃に戻ったみたいでとても楽しかった。

また、研究を頑張ってる後輩たちの話を聞くと、そんな後輩に昔の自分が重なって、後輩にも昔の自分にも負けてられないなと思えた。


私にとって、大学時代の研究室とはとても大切な場所である。

それは楽しい思い出があったとか、みんないいやつだったから、とかそんなレベルの話ではない。

エンジニアとして生きる上で、原点となる全てが詰まっている場所だったからである。

大学の研究室は何かを売ってお金を儲けているわけではない。そういう意味でメーカーとは異なる組織である。

しかし組織に属し、上司から与えられる仕事をこなすという点では同じだ。

研究テーマを与えられ、解決のための道筋や手法を自ら考え実践する。

そのために技術を学び磨く。

実験をして得られたデータを分析し、考察を行う。繰り返される実験と考察。
上手くいかないことの方がはるかに多い。

実験結果と考察を教授へ報告する。また他の学生とディスカッションを行うこともしばしば。時には激しくぶつかることも。

研究がようやく形になり始めると、資料にまとめる。それらは研究室内向けの報告書であったり、論文であったり、学会発表のスライドであったりだ。

こうして一つの仕事をやりとげていくということを学ぶのだ。


よく、新卒の新入社員は即戦力にならないという嘆きを聞く。

仕事上の技術的なことに関しては、確かにそうかもしれない。

実際に自身の行っていた研究をそのまま(またはその内容を使えるような)職に就ける者はごく限られた一部だ。
それゆえ、『即戦力』になる学生の確保はどのメーカーにとっても採用活動の中で最優先事項の一つだろう。
(私も就職活動をしていたとき、とあるメーカーのリクルーターから『即戦力としてうちの太陽電池部門に是非来て欲しい』と言われたことがある。)

だが、そういった学生の確保は容易ではないだろう。
本当にその道を極めたいのであれば修士でメーカーに行かず、ドクターへの進学を考えるだろう。

そもそも上で述べたように、活動の目的はメーカーと大学とで本来異なっているのだから、大学で行っていた研究をそのままメーカーで行うということは無理があるのだ。


『学部時代に専門に関する基本的な知識を学び、研究室配属後にそれらを用いた研究活動を行う』

大学におけるこの一連の活動は、紛れもなくエンジニアとしての基礎を作り上げていると私は思う。

私のように、大学時代の専門とは全く異なる部署に配属されても、上記の経験があるから、新たな分野であろうともエンジニアとしての土台を築いていけるのだ。


私は仕事で行き詰まったときや辛いときなどは、そっと目を閉じる。そして自分の原点である大学院の研究室へと帰るのだ。