あおぞら。

ただのサラリーマンの日常です。

滋賀を旅立つ日

気持ちがいいほど青くすんだ秋空の下、いつもの通勤電車がホームに入ってきた。
この電車に乗れば、もうこの駅に帰ってくることはない。

年末の記事に近々結婚するかもしれないと書いたが、いよいよその時期が迫ってきた。
奥さんと住むために今日実家を出た。仕事後は実家ではなく、奥さんの今住んでいる家へ向かう。

いつもの電車に乗っている、席を奪い合ったおばちゃんも、英語の本を読んでるおっちゃんも、スポーツ医療の勉強をしてる専門学生もずっとスマホをいじってる女子高生にももう会うことがない。
いつもの通勤電車の風景も、もう見ることはない。
何気無いものでも、いつもそこにあって当然だったものが無くなることは、やはり寂しいものだ。


社会人になって実家に帰って来て一年半がたつ。
駅から遠いだの電車の本数が少ないだのといろいろ文句を言っていたが、両親と暮らす最後の愛しくて大切な時間だった。

帰省することはあっても、もう実家で暮らすことはない。おそらく下宿から会社の寮にでも入っていればこんな気持ちにもならなかっただろう。でも、一年半といえど実家に戻り、再び家族の暖かさに触れてしまったので、今は寂しくてたまらない。


父は昔はとても怖くて近寄り難かった。
気難しいとこもあり、避けた時期もあったが必死に働いて私を大学院にまで行かせてくれた。

母からはいつも愛を感じた。
いつもにこにこしていて私のためにといろんなことをやってくれた。正に『無償の愛』を感じた。
気難しい父とやってこれたのも母の優しさがあったからだろう。

両親には長生きしてほしい。全然親孝行らしいことが出来なかったので、親孝行のチャンスを存分に与えてほしいものだ。


明日は有給をもらっており、この連休に引っ越しをする。
新居は大阪だ。
大阪を離れて一年半。こんなに早く帰ってくることになるとは思わなかった。

今は不安と期待が入り交じっている。でも、きっと最高の毎日が待っているはずだ。

今日のことはきっと忘れない。

お父さん、お母さん今までありがとう。